杜王町、イタリア料理店「トラサルディー」
東方仗助、広瀬康一、虹村億泰と店主のトニオと調理補助のとその友人のがランチを楽しんでいた。
仗助「二人がイタリアに行っちゃうの、いよいよ来月っスね」
トニオ「もともとはワタシ一人で切り盛りしていたとは言え、サンがいなくなると火が消えたようになるでショウねぇ」
「大事な片腕を連れてっちゃってすみません（笑）」
トニオ「いいですよ。さんはさんのことを信頼していますから、向こうで支えになってあげてくださいね」
「はい、任せてください」
億泰「本当に行っちゃうんスか？さんの作るティラミスがもう食べられないなんて、寂しいぜ」
「いつか、おっくんが泣いて喜ぶようなような料理を作れるように頑張ってくるね」
康一「さんは良いとして、そういえば、さんはもうイタリア語喋れるんですか？」
「うーん、それがねえ、なかなか難しくて…」
億泰「じゃあ、露伴先生に喋れるようにしてもらえばいいんじゃねぇの？」
康一「その案があった！露伴先生が外国語とか喋れるようにできるんですけど、やってもらったらどうですか？僕が頼みますから」
「本当に？ありがとう！」
仗助「そうと決まれば、今から行きましょう！」
「え？突然大丈夫？」
康一「ああ、露伴先生はいつでも家にいるから大丈夫ですよ」
「トニオさん、今から行ってきて、お店大丈夫ですか？」
トニオ「構わないですよ。その方が安心ですから、ぜひ行ってきなさい」


岸部露伴邸
露伴「ああ、トニオのところの君か」
「こんにちは、今日はお願いします」
露伴「康一君のお願いなら、仕方ない。で、隣の君も書いてほしいのかい？」
露伴（こいつ知ってる。歯医者の助手だ）
「せっかくなので、よろしくお願いします」
（この人知ってる。顔がパンパンに腫れるまで親不知抜きに来なかった人だ…）
康一「じゃあ、露伴先生よろしくお願いしますね。記憶を読むのは厳禁ですよ」
露伴「わかってるよ。そこに立って動くんじゃないぞ」
・（何されるんだろう）
露伴「ヘブンズ・ドアー！！」

“イタリア語が喋れるようになる。”



――1か月後、ネアポリス
「、どうしよう」
「いきなり、一文無しだね」
「ちょっとだけトランクに入ってたけど、パスポートがないとどこも泊まれないし」
二人は、ネアポリスに着いて早々、財布とパスポートをスられてしまった。
時刻は深夜を回った。
二人はそろってため息を吐いた。
男１「どうしたの、君たち。旅行者？イタリア語わかる？」
男２「泊まるとこないなら、ホテルに案内してあげようか？」
「いいです。放っておいてください」
「ああ、ちょっと。自分で持てますから！」
男１「いいから、いいから」（男が強引にトランクを持っていこうとする）
「困ります！」
「やめてください！」
その時、突然、男たちが大量の剃刀の刃を吐き出して、倒れた。
・「ぎゃあああああああ」
リゾット「…大丈夫か？」
「もしかして、あなたが助けてくれたんですか？」
リゾット「…そうだ」
「あ、ありがとうございます」
リゾット、トランクを見る。
リゾット「旅行者か？この辺りは、危険だから、早く宿に戻った方が良いぞ」
、、顔を見合わせる。
「それが…」
二人がリゾットに事情を話す。
リゾット「…そうか。それは不運だったな」
二人はこの親切な人を逃したら、今夜は宿無しかもしれないと直感的に思った。
「私、日本では料理人をやっていたんです！なんでもごはん作るので、一晩だけでも泊めてもらえませんか？」
「私は歯医者で助手やってたんです。滅菌とか物をピカピカにするのは得意なんです」
リゾットは考え込むような素振りを見せた。
リゾット（うむ。ちょうど家政婦がいたら、と考えていたし、今夜泊めてみて、役立つようであれば、そのまま雇っても良いかもしれんな。探す手間が省けた）
リゾット「男所帯で相当汚れているが、覚悟はいいか、俺はできてる」
・「はい、大丈夫です」
リゾット「それなら、ついてこい」


暗殺チーム、シェアハウス、リビング
メンバーが集まって酒盛りをしている。
リゾット「今、帰った」
ホルマジオ「おかえりーって、なにその子たち！」
メローネ「リーダー、まさかナンパ！？　隅に置けない！」
リゾット「みんなに話があるんだが…」（華麗にスルー）
プロシュート「なんだ？　その東洋人たちのことか？」
リゾット「そうだ。かくかくしかじかで、泊まるところがないらしいので、今夜一晩泊めてみて、役に立ちそうなら、そのまま家政婦として雇おうと思っている」
（え？）
（え？）
リゾット「彼女は料理人として働いていて、彼女は歯科助手だったらしい」
ホルマジオ「シェフの子はともかく、歯科助手の子、家政婦の仕事と関係なくない？」
リゾット「……」（華麗にスルー）
ホルマジオ「え、俺の発言は無視！？」
ソルベ「まあ、家政婦の仕事だったら、誰でもある程度はできるだろ」
イルーゾォ「家政婦…（ぼそ）」
メローネ「マジでー？こんな若い女の子が？」
ホルマジオ「そうだなあ。むさくるしかったからなあ、ちょっとはましになるかなあ」
プロシュート「リゾットが決めたんなら、異論ねえよ」
ジェラート「ちゃんと聞いてんの、ギアッチョ」
ギアッチョ「ああ…わかってるよ」（酔い潰れ）
ペッシ（これで、掃除洗濯の日々から、解放される…！）
ソル「部屋はどうするんだ？」
リゾット「1階の部屋が一つ空いているから、ひとまずそこで良いだろう」
プロシュート「ペッシ案内しろ」
ペッシ「はい、兄貴！二人ともついてきてください」
・「よろしくお願いします！」
「どうする？雇うとか変な話になってるけど」（日本語）
「でも、とりあえず今夜泊めてもらわないと困るし…」（日本語）
「明日、とにかく考えよう」

翌日、朝
ホルマジオ「おおー！！すげえ、超久しぶりにまともな朝食が！超うまそう！！」
プロシュート（昨日までの酷さが嘘のようだ）
イルーゾォ「鏡が綺麗になってる…（ぼそ）」
ソルベ「洗濯物が綺麗に並んでいる！！」
ペッシ「床もピカピカだー！（涙）」
ギアッチョ、ダイニングに入室
ギアッチョ「あー、頭いてえ」（二日酔い）
ホルマジオ「これ、どうやって作んの？！」
「これは、こうしてー…」
ジェラ「二階の廊下のワックスがもうボロボロなんだけど、そこもやってもらえない？」
「はい！やっておきます！」
ギアッチョ、いちど扉を閉める。もう一度、開ける。やっぱり居る。
ギアッチョ「なんだよ！？その中国人！！」
二人「ひぃっ！！」
メローネ「違うよー！この子たちのファッション、ロリータとパンクでしょー？こういう着こなしができるのはジャポネーゼ！」
ジェラ「っていうか、昨日説明しただろ、お前も返事したでしょ？」
ギアッチョ「知らねえ！聞いてねえぞ！！」
ホルマジオ「あーお前大分酔ってたからなあ」
リゾット「…よし、採用」（華麗にスルー）
「え？」
「え？」
こうして二人は暗チの飯炊き係に任命されたのである。