ある日の朝、二人がメローネとコーヒーブレイクをしていると、の携帯にドッピオからメールが届いた。
「ヤバい！ドッピオちゃんからのＳＯＳが来た！」
「なに！？すぐに行かなくては！」
二人はお掃除グッズや調理道具をまとめると、でかける準備をする。
メロ「え？なになに？緊急出動？」
「友達の危機なの！」
「夜までにはたぶん戻るから」
メロ「こいつらには、やると言ったらやる…『スゴ味』があるっ！」
「じゃ、行ってきますー」
二人は家を出発して、ドッピオとの待ち合わせ場所にやってきた。
ピオ「すみません、突然に」
「いいよ、いいよ」
「準備万端で来たから！」
ピオ「いつもはなんとかなってるんですけど、もう一人のちゃんとしてる人が最近残業が多くて、滅茶苦茶になってきちゃって…」
三人は話しながら、ドッピオの住む家に向かった。
そして、アラキ荘の前に辿り着いた。
「おお、ここだったんだね」
「薬局行くのによく通ってたよね」
ピオ「あんまりキレイじゃないですけど、すみません。この部屋です」
ドッピオがカギを取り出し、古びた扉を開けた。
そこに広がった光景は、畳の上に艶めかしく横たわる美しい肉体を持つ二人の男性だった。
ドッピオ無言で扉を閉める。
・「……ん？」
ピオ「ちょっと待ってて下さいね」
「ドッピオちゃん、瞳孔開いてるけど大丈夫！？」
ピオ「大丈夫です」
ドッピオは素早く部屋の中へ滑り込んだ。
中から声が聞こえてくる。
ピオ「ちょっと、DIOさん、カーズさん！女性のお客さんが来るから、ちゃんと服を着ていて下さいっていったじゃないですか！何してるんですか！」
DIO・カー「？」
DIO「何を言っているんだ？ドッピオ。ちゃんと着ているではないか」
ピオ「世間的には着てません！二人とも布一枚じゃないですか！ふろ上がりですか！？ほら、二人ともこれに着替えて！」
カー「また、この堅苦しいものを着なくてはならんのか…」
ピオ「早くしてください！お待たせしてるんですからね、お客さんを」
二人とも不満そうにいそいそと着替える。


ピオ「お待たせしました、二人ともどうぞー」（げっそり）
「なんか、大丈夫？」
ピオ「大丈夫です…散らかってますけど」
「お掃除しに来たんだから、だいじょうぶだいじょうぶ！」
DIO「よく来たな、このDIOに名前を教えてくれないか、レディたち」（ポケチュウのきぐるみパジャマを着ている）
（このDIO！？）
（このポケチュウ！？）
ピオ「はいはい、こちらがさんでこちらがさんですよ。変なことしないでくださいね」
カー「掃除婦たちよ、己が仕事にいそしむがよい」（名前入り芋ジャージを着ている）
ピオ「こら！カーズさん！二人とも善意で来てくれてるんですよ！すみません、二人とも。この人、いつも究極生命体気取りで…」
（カーズ！やつは究極生命体としてあまりにも純粋すぎた！）
（それが芋ジャージに繋がったのだ！）
「じゃあ、早速はじめてくね。まず水回りから行く？」
「私、バスルームやるわ」（マイゴム手袋を装着しながら）
「なら、私はキッチンね」（ハイターを出しながら）
ピオ「なんて頼もしいんだ！」

お昼前にバスルームとキッチンの掃除が終わった。
???「ただいまー、おや、お客さんかい？」（玄関の靴を見ながら）
ピオ「ああ、プッチ神父、おかえりなさい。友達が掃除を手伝いに来てくれたんです」
「ええ！神父！？神父様一緒に住んでるの！？」
「え？なになにー？」（バスルームから顔を出す）
プチ「あなたたちですか？お掃除をしてくれているのは。ありがとう、助かります」
「ああ、すみません神父様。こんな汚い恰好で！」
プチ「とんでもない。それはあなたがお掃除を頑張ってくれた証ですよ」
「なんだかこの人にはとてつもないトキメキを秘めた予感がする、なにかな？これは何かな？(ﾟロﾟ; 三 ;ﾟロﾟ) 」
プチ「私はエンリコ＝プッチです。普段は神父をしています」
DIO「プッチよ、帰ったか」
「このDIOが出た！」
プチ「だだいま、DIO。お土産のガレットだよ」
DIO「うむ」
「なんだ、この微笑ましいのは！」
「ポケチュウ着て、『うむ』だからね！」
プチ「そろそろお昼だね。お礼に私がお嬢さんたちにお昼ご飯をふるまおう」
「ホントですか！？」
「神父様が、畏れ多い！」
ピオ「大丈夫です！プッチ神父は良いですから、座っていてください！DIOさん構っててください！」
プチ「え？そうかい？」
「ええーなんで！？ドッピオちゃん、せっかく作ってくれるっておっしゃってるのにー」
ピオ「ちょっと、二人とも来てください。前に…（ひそひそ）」
「え？暗黒物質！？」
「キッチンが爆発？」
ピオ「あの時の暗黒物質を持って居間に登場したプッチ神父の笑顔を僕は忘れられません(((((( ;ﾟДﾟ)))))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」
「そ、それはだめだね」
「やっぱり私が作るよ」
ピオ「僕も手伝いますんで」
こうして平穏なランチタイムが訪れた。



ドッピオと二人がお皿を並べていると、ドッピオが一枚多く食器セットを並べた。
「あれ？ひとり分多くない？」
ピオ「もしかしたら、ボスがもうすぐ帰ってくるかもしれないので」
「ボス？ドッピオちゃんの？」
???「ただいま帰ったぞ」
ピオ「噂をすれば！ボスー！！」
ボス「おお、ドッピオ。私の可愛いドッピオ…」
ピオ「よかった、ご無事だったんですね」
ボス「いや、もうすでに今日2度死んだ…」
「あれ？この人…レバー事件のとき剃刀食べてた人では？」
「ホルマジオに轢かれた人？」
ピオ「紹介しますね、ボス。この二人は僕の友達でさんとさんです。今日はお掃除を手伝いに来てくれたんです」
ボス「私のドッピオと仲良くしているのか、娘たちよ。私は帝王のディアボロだ」
DIO「帝王はこのDIOだ」
カー「どちらでもよかろうなのだぁ！頂点に立つのは、このカーズ。ただ１人のみ！！（ぽてりこを食べながら）」
「ぽてりこが様になってる！」
「これが究極生命体の実力！」
ピオ「はいはい、わかりましたから、お昼ご飯になりますよー」




お昼御飯を食べ終わると、二人は居間などの掃除を始めることにした。
「ずっと思ってたけど、この家なんでカーテン閉まってるの！？換気したいから開けますよー！」
DIO「おい！やめろ！！日光を入れるな！」
「えー？なんでですか？掃除しにくいですよ。埃も舞いますし」
カー「お前たちがその幕を開けるというのなら、始末せざるをおえん。輝彩滑刀！！」
・「ひぇえええええ！！」
ピア「ちょ、ちょ！ちょ！ちょ！待って下さいって！」
プチ「まあまあ、二人とも外光が入らない所だったら、いいんだろう？ならこっちへ」
プッチ神父、二人を言いくるめて、バスルームに押し込める。
プチ「さ、開けて良いよ〜」
・「神父様、ありがとうございます！」
プチ「午後は私も手伝うからね」
「後光が差してる！」
「神々しい！！」
一方、バスルーム
DIO「なぜ貴様とこんな狭苦しいところにいなくてはならないのだ」
カー「テレビがないではないか」



順調に掃除が進み、だいぶ片付いたころ。
は背後の気配を感じた。
ファニ「どジャアァァ〜〜〜〜ん。ファニー＝ヴァレンタイン今帰ったぞ！」
「ぎゃあああああああ！何もないところから人が！ドッピオちゃん！不法侵入だよ！！ドッピオちゃああんん！！！」
ピオ「どうしましたか！…ってヴァレンタインさん！ちょっと驚かさないでください！お客さんなんです！」
ファニ「そうだったか、それは失礼したな。私はファニー＝ヴァレンタイン、ここの住人だ。君、名前は？」
「あ、えっと、です」（な、なんというキューティクル、ぜひ触りたい）
「今の騒ぎは何！？」
ピオ「ヴァレンタインさんが帰ってきたんです、唐突に。こちらはさんですー。二人に部屋の掃除を手伝ってもらってたんです」
ファニ「そうか、それは御苦労」
「はい、ありがとうございます」（にじみ出るS臭、たまらない！）
ファニ「掃除は終わりそうなのか？」
ピオ「おおかた終わったところです」
「そろそろ夕飯の準備を始めようとしてたところなんです」
ファニ「そうか、では二人の客人を労う意味も込めて、このアメリカ合衆国大統領のファニー＝ヴァレンタインが今日の夕食を振る舞おう」
「素敵なのはキューティクルだけじゃないんですね！ヴァレンタイン大統領！」
「なんだろう、このご主人さまからのご褒美感は…！」
ピオ（ファニーさんは今まで台所に立ったことがないけど、ご飯作れるのかな…）
ヴァレンタインが夕食を作る間に、とはゴミ出しなど、残った雑用を片付けた。
ドッピオは不安げにキッチンの方を気にしながら、テーブルにお皿を並べる。
２時間後、居間のちゃぶ台にアラキ荘のキッチンで作ったとは思えない豪華なフランス料理が並んだ。
ピオ「すごい！あなた、こんなことができたんですか？」
ファニ「昔から料理が趣味でね」
「おいしそう！早速、いただきましょうよ！」
全員が食卓につき、DIOとカーズも今日は人間の食事をとることにした。
「わーい！いただきます！」
全員が一口目を口に運ぶ。
全員（……ん？(；￣ー￣)）
（なんで、見た目しょっぱい感じの料理がこんな、甘いの？！）
（こんなに色ついてるのに、なんで味がないの！？）
ファニ「う〜ん。今日のテリーヌはなかなかの出来だ！」
ヴァレンタインだけがうれしそうに食事をほおばる中、ほかの全員はお互いの顔色を伺い、美味しいとも不味いとも言えないまま、微妙な表情で食事を終えた。
なんとも言えない気まずい雰囲気で片づけを始め、その最中にドッピオが大皿を取り落とし、運悪くディアボロの脳天に直撃、本日３回目の死を迎えた。

片付けも終了し、夜も更けてきたので、家政婦の二人は荷物をまとめて帰る準備に入った。
すると、アラキ荘の玄関を開ける音がして、帰宅を告げる声が聞こえた。
???「ただいま…こ、これは」
ピオ「あ、吉良さんおかえりなさい」
吉良「ドッピオ君、これは一体どういうことなんだ」
吉良はピカピカになったキッチンや居間を見まわした。しかも居間で寝そべる人外がポケチュウやジャージを着ている。
ピオ「ここにいる二人が、片づけを手伝ってくれたんです。さんとさんです」
吉良「そうか、それはとても助かったよ。ドッピオ君と私では、どうにも手に負えなくてね」
吉良は感動した様子で、との手を取った。
（うわ、ごめんなさい、すごい今、手が荒れてるんですけど！）
（なんか、この人触り方が気持ち悪い！）
吉良「…おや、二人ともちょっと手が荒れているね、今日のお礼に私の特製ハンドクリームをプレゼントしよう」
「はあ…？ありがとうございます」（ちょっとよくわからないこの人、イケメンなのになあ）
「あ、ありがとうございます」（この人もイッちゃってる人だな、きっと）
ピオ「二人とも今日は本当にありがとうございました。お礼に僕たちで何かしてあげたいんですけど、二人とも何かありますか？」
DIO「なんなりと望みを言うが良い。このDIOが叶えてやろう」（ホームランバーを持ちながら）
「え、本当に何でも良いんですか！？」
カー「人間ごときの願いを叶えられないわけがなかろうがぁ！」（ホームランバーを持ちながら）
「じゃ、じゃあ、プッチ神父と写真を一枚…できれば、こう…密着した感じで！」
プチ「え？せっかくDIOも居るのに、私でいいのかい？写真なんかでよければ、いくらでも」
「じゃあ、こういう感じで、一緒に…」
ピオ「僕がシャッター押しますよー」
DIO・カー「解せぬ(´・ω・｀) 」
「じゃあ、私は…大統領の御髪を巻かせていただきたいのですが…」
カー「もう、アヤツの髪は十分に巻かれているだろうがぁ！」
ファニ「お安い御用だ。そんなことで良いのか？私は大統領だぞ？」
「それで十分ですー！」
DIO・カー「解せぬ(´・ω・｀) 」
とは一日の労働の対価以上のものを手に入れた気分で、上機嫌で暗チハウスに帰って行った。
ちなみに心やさしいプッチとドッピオが夜で危ないから、と家まで送ってくれた。


一方、そのころのアラキ荘。
吉良「ヴァレンタインの料理は初めてだな」
冷蔵庫に残っていた夕食を出して、１人食卓に着く。
美味しそうな見た目（テリーヌ）に期待して、口に入れ…
吉良（……ん？(；￣ー￣)）

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