|
ある日のこと、W杯のイタリア戦を観戦中、暗殺チームの面々はイタリア代表のユニフォームを着て、リビングに集っていた。
テレビ（つい最近までアンテナ付きのオンボロテレビだったが、W杯開催に合わせて、ミーハーなメローネが大型４Kテレビを買ってきた）のすぐ前にメローネ・ギアッチョ・ホルマジオが床に直接座り、スナック菓子を食べながら、ヤジを飛ばしたり、歓声を上げたり、騒いでいる。
その後ろの一人がけソファにプロシュートが腕を組んで陣取り、監督気取りでゲームメイクに文句を言っている。
３人掛けソファにはイルーゾォとリゾットが座ってカフェラテを飲みながら、静かにじっと画面を注視している。
その後ろで、ソルベとジェラートが「イタリア優勝！」と書かれた横断幕を広げている。
ペッシはもうソファがないので、ダイニングから食卓用のイスを持ってきて、座っていた。
家政婦たちはおつまみを持ってきたりしながら、暇になると、ペッシの隣に座って観戦していた。
後半戦終盤の相手チームのゴールが決勝点になり、そのままイタリアは敗戦し、これによって予選リーグの敗退が決定してしまった。
ギア「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛！！」
ホル「負けたぁー！！」
メロ「あーあ、予選リーグ敗退かー残念♪」
「日本もたぶん予選リーグ突破無理だよｗｗｗ」
プロ「ゴール決まる前の審判の見逃しが流れを変えたな」
ジェラ「そうよね！あれはヒドイわ！」
ソル「あのキーパーのスーパーセーブは良かったんだけどな」
リゾ（残念だ…）
イル（眠い…）
ペシ「次の大きな大会はオリンピックですね」
「そういえばさ、東京五輪でドッジボールだかドッヂビーだかを公式種目にしようと日本が画策してるらしいよｗｗｗ」
ホル「ドッヂビーってなんだよｗｗｗドッジボールならなんとなくわかるけど」
「ボールの代わりに柔らかいフリスビー使うやつ」
メロ「へーそんなのあるんだ」
ジェラ「おもしろそうね、やってみたいわ」
ホル「お、いいな。俺もサッカー見てたら、体動かしたくなってきたぜ」
メロ「じゃあ、フリスビー、ネットで頼む？」
プロ「マジでやんのかよ」
ジェラ「いいじゃない！みんなでやりましょ！」
イル（やだなぁ…）
リゾ「このメンバーだと人数が少ないから、お向かいさんも誘ってみたらどうだ」
「じゃあ、うちらが声かけとくね！」
こうして、暗チVS護チのドッヂビー大会の開催が決定した。
開催3日前。
ナランチャとがお互いベランダに出て、洗濯物を干していた。
ナラ「どう？準備進んでる？」
「実は地味に練習とかしてるんだけど、プロシュートが鬼コーチでマジこわいの。スパルタ。そっちは？」
ナラ「俺たちも練習してるぜ。ブチャラティがおそろいのユニフォームまで注文してくれちゃったもんね」
「なにぃ！？いいな、なにそれ！うちらも欲しい！！」
は階段駆け下りて、ダイニングに特攻した。
料理をしていたと朝食を食べていたホルマジオとメローネにが叫ぶ。
「お向かいさんがユニフォーム買ったって！うちらも欲しい！」
「なにそれ、欲しい！！」
メロ「ネットで注文する？」
ホル「でも、今からじゃデザインとかは間に合わねぇな」
「おそろいのTシャツとかにしようよ！」
「じゃあ、イタリア代表のやつとか？」
ホル「リラックマにしようぜ！！！」（ガタッ）（机をたたきながら立ち上がる）
メロ「リｗｗｗラｗｗｗッｗｗｗクｗｗｗマｗｗｗ」
メローネ、タブレットですかさず検索する。
メロ「あった！顔Ｔあるよｗｗｗカワイイｗｗｗ」
ホル「マジか！それがいい！！」
「リゾットがリラックマ着てるとこ見たいから、いいよｗｗｗ」
「兄貴のリラックマｗｗｗ」
メロ「じゃあ、注文しまーす」
開催当日。
暗チハウスと護チハウスの面した通りにメンバー全員が集合した。
護チは全員がブチャラティのいつも着ているコンマスーツと同じ柄のTシャツを着ている。
ブチャ「みんな、よく似合ってるぞ」（良い笑顔）
ナラ「ブチャラティとおそろいだ！あはは！」
アバッキオはムスッとしながらも嬉しさを抑えきれずにいる。
その後ろ、ミスタとフーゴとジョルノが死んだ目をしてたたずんでいる。
フー（ブチャラティのために喜んであげたいんですが、そんな顔できない…）
ジョル（ブチャラティに悪気がないのはわかってるんですが…死にたい）
ミス（さすがにダサいだろ…）
暗チメンバーの後ろの方で。
ギア「あれ、ヤバくね？」
イル「ヤバい…さすがに可哀想」
リゾ（なぜ、俺はおそろいのカリメロTシャツを買っておかなかったんだ…orz）
鬼コーチぶりを発揮したプロシュートは、ブランド物のポロシャツ（襟を立てている）にダメージジーンズを合わせて、張り切っていた。
「イケメン野郎！許さん！」
「ポロシャツの襟を立てちゃう兄貴もステキ！！」
プロ「おいおい、なんだよ、そのTシャツ。さすがにセンスをうたが…」
メロ「わーよかったー間に合ったー！」
ア○ゾンの箱を持ってメローネ登場。
ホル「おお！よかった！」
イル・ギア（嫌な予感がする…）
ゴソゴソ。
メロ「じゃーん！こちらが我がチームのユニフォームでーす！」
リラックマの顔Tが出てくる。
イルーゾォ・ギアッチョ・プロシュート（死にたい…）
リゾ「でかした！！」
ジェラ「あら、かわいい！」
ソル「おまえら、ホント準備いいな（呆）」
ホル「あーリラックマキター！かわいいー！━━━━(゜∀゜三゜∀゜)━━━━!!」
ナラ「いいなー！あれ！」
ジョル（お互い様ってところですか…）
ミス（リラックマの方がまだ良かった）
暗チ、着替えて再集合。
ナラ「あれー？そっちの方がゼンゼン数多くねぇ？」
ホル「あ、そういや…人数のこと全然考えてなかったぜ」
リゾ「じゃあ、途中でこうたi…」
プロ「そうしたら、おい、家政婦、そっちのチーム行け」
「兄貴、そんなにあっさり私たちをクビにするんですか！？」
「イケメン野郎！覚えてろよ！」
リゾ（あっ…）
イル（はっ…！それでもまだこっちの方が一人多い！）
イル「まだ多いから、俺が審判やるよ」
ブチャ「そうか？すまないな」
イル（やった、これでこれ着てなくても大丈夫だ）
メロ「じゃあ、審判はこれねー」（サッ）
コリラックマのTシャツを箱から取り出す。
イル「なんで！？審判は何も着なくていいじゃん！！いやだ！！」
護チ全員（イルーゾォが大声出してるの、初めて見たな）
ブチャ「そうだ！とにも、予備のTシャツがあるぞ！」
・「わーい！コンマだー！！ありがとう！ブチャラティさん」
ミス（コンマｗｗｗｗｗｗ）
フー（コイツら、しかも喜んでいるｗｗｗｗｗ）
イルーゾォ、泣きそうな表情でコリラックマに着替えに行き、家政婦二人は嬉々とした表情でコンマＴシャツに着替えに行く。
やっと試合開始。
開始時の布陣。
暗チチーム：ソルベが元外野
護チチーム：フーゴが元外野
ちなみに家政婦二人はハンデがありすぎるので、１回復活できることになった。
試合が長ったらしいのでハイライトでお送りします。
前半ハイライト。
最初にフリスビーを持ったのは暗チ。
プロシュートが第１投を担当、容赦なく家政婦を狙う。
「兄貴に当てられて幸せ！」
「イケメン野郎！身内に情けはないのか！っていうか、シニョリーナだぞ！シニョリーナ！！」
プロ「勝負の世界に情けは無用だ（ドヤァ）」
ジョル「でも、この人当たって喜んでますよ」
前半中盤、外野のソルベがフリスビーを持つ。
ソルベ「いくぞ、ジェラート！」
ジェラ「おっけー！ソルベ！」
二人の絶妙なコンビネーションで、護チを一カ所に追いつめる。
ジェラ「ぅおらあああああ！（地声）」
アバ「ブチャラティ、危ない！」
ジェラートの剛速球がブチャラティに向かっていき、それをかばったアバッキオの顔にヒット。
・「アバッキオ先輩ーー！！」
アバッキオ、病院送りに。
ギア（ホモこえぇ…）
前半終わり際、リゾットがフリスビーを持つ。
隙のあるに当てようとするが、今までの思い出が走馬燈のように頭を駆けめぐり、投げることができない。
リゾ「うっ…」
「やだ！リゾット優しい！！さすが私の脚！！」
プロ「てめぇ、リゾット！何やってんだ！！家政婦は敵だぞ！」
リゾ「…すまん」
ハーフタイム。
ジョル「ミスタ、どうやら、リゾットはとには強く攻撃できないようです。後半はも復活しますし、それを利用するのはどうでしょう」
ミス「いともたやすく行われるえげつない行為！！ｗｗｗわかった！」
後半ハイライト。
後半のジャンプボールも暗チがゲット。（一番背の高いアバッキオが不在のため）
リゾットの一投目。
狙われたミスタの脳裏にジョルノの作戦が浮かび、とっさに家政婦二人の後ろに飛び込む。
ジョル「アンタ、あからさますぎるでしょ！！」
ミスタに背中を押された家政婦二人は、リゾットのソフトな投球でダブルアウト。
リゾット肩の荷が下りた気分。
後半序盤、護チ側に浮いてしまったフリスビーへ、ペッシがビーチボーイを発動。
プロ「でかしたぞ！ペッシ！」
ペシ「はい！兄貴！」
イル「スタンド禁止！」
ペッシ投球も、ミスタがキャッチ。
ミス「よし！俺も！ピストルズ出てこい！」
ミスタ、投球と同時にピストルズを発動。
イル「だから、スタンド禁止！」
ミスタ、反射攻撃でギアッチョを狙う。
ギア「そっちがそう来るなら！ホワイトアルバムジェントリーウィープス！！」
絶対零度の効果により、フリスビーが空中で停止。
しかし、周りが凍り付いたため、避けるために走っていた暗チ全員転倒。
プロシュート、ギアッチョの頭をスパーン。
イル「禁止だって言ってるだろ！スタンドは許可しないぃぃいいい！！」
スタンドのみ、鏡の世界へ連行。試合は完全、スタンドなしの方向へ。
後半中盤、ホルマジオがフリスビーを持つ。
ホル「よおし、練習の成果が出るかな？」
ホルマジオ、いつもと変わらないフォームで投球、しかし、フリスビーはあさっての方向へ。
ジョル「見誤りましたね！」
ホル「どうかな」
ジョルノの横を通り過ぎそうになったフリスビーが急に鋭角に曲がり、ジョルノ脇腹にヒット。
ジョル「曲がった…だ、と？」
「ホルマジオすげぇ！」
「よくやった！！」
・、ホルマジオとハイタッチ。
３人「いぇーい！！」
ジョル「あんたたち、今はこっちのチームでしょう！？」
リゾ（微笑ましいな…）
後半終盤。
護チの内野はフーゴとナランチャのみに。
ソルベとジェラートから集中攻撃を受けるが、アクロバティックに交わすナランチャ。
ローリング移動やバック転など、華麗な技を繰り出すが、堅実に避けていたフーゴに激突、転倒で二人とも動けないところへフリスビーを当てられ、アウト。
これにより、護チの内野が0となり、暗チの勝利が決定した。
しかし、ここで、巻き添えを食らい、ひいてはチームの負けを招いてしまったフーゴがナランチャにブチ切れ。
掴み合いの乱闘が始まり、場は一時騒然となった。
ブチャラティによってフーゴの怒りがなんとか収まると、審判のイルーゾォによって正式に暗チの勝利がアナウンスされ、試合が終了した。
ブチャ「良い試合だった。完敗だ」
リゾ「いや、そちらには女性が二人混じっていたんだ。それがなければ、わからなかった」
固い握手を交わす両チームリーダー。
二人はその場でユニフォーム交換をしていた。
両チームは互いの健闘をたたえ合い、その興奮を共有するために、暗チハウスで宴会をすることにした。
ギア「メローネ、おまえ、最初に当たって、ずっと外野でヘラヘラしてたじゃねぇか！何やってんだよ！」
メロ「だって、俺、球技マジ苦手なの！」
ヘラヘラ笑いながら、一番後ろからついて行っていたメローネは、全員がリビングに入ったのを見届けると、そっと２階のベランダへ行き、仕掛けてあったビデオをしめしめと回収した。
この映像は、キャプチャーされ、後日、プロシュートやリゾット、ブチャラティなどの画像が家政婦やアバッキオに売られることになる。
←
lista →
|