ある日の朝、が昼ごはんの献立（ピッツァクワトロフォルマッジョ）の材料をリストアップしていると、足りない食材が多いことに気がついた。ちょうどの手が空いていたので、二人で買い出しに行くことになった。
「リゾット、ちょっと買い出しに行ってくるね」
リゾ「そうか。一緒に行かなくて、大丈夫か？」
リゾットはパソコンの前で、報告書の様なものを広げ、書類整理をしていた。
「いいよ、いいよ。仕事中でしょ？の手が空いてるから大丈夫だよ」
一方、はメローネの部屋の前に立っていた。
「メローネーいるー？」
メロ「ゴメン、今手が離せない！勝手に入ってきていいよ」
「ちょっと買い出し行って来るけど、何か買ってくるものある？」
メロ「今、株価大暴落してるから話しかけないで！でも、チョコレート食べたい！」
「わかったー買ってくるねー」
二人はカリメロのエコバックを持って、玄関に向かった。
イル「…ただいま」
「おかえりー新聞配達お疲れ様ー」
「朝ごはん、テーブルの上にあるよ」
イル「うん。今日ご飯なに？」
「リンゴとトーストとパプリカのマリネだよ」
イル「ありがと」
「お、ありがとうって言うってことは、好きなもの入ってたね」
「たぶんパプリカだな」
イル「……」
こうして二人は買い出しに出発した。

二人は市場に着いて、必要なものを買いそろえた。
荷物が増えたので休憩していこうということになり、ちょうど近くに停まっていたジェラートの移動販売車に立ち寄った。
「マンゴーとぺスカくださーい、あれ？」
ジェラ「やっだぁーとじゃない、ちょっとーソルベ来てよ」
ソル「おう、お前らどうした」
「ジェラ姉さんにソルベ！なぜここに！？」
ソル「なぜって、それは俺たちの店だからな。ギアッチョもいるぞ」
「え！どこ？」
ジェラ「ギアッチョ！二人が来てくれたわよ」
ギアッチョ、下からちらっと顔を出す。
「ギアッチョ、そんなところに！なにやってんの？」
ギア「…氷」
ジェラ「冷凍庫の代わりなのよ、ギアッチョは（ハート）」
ソル「マンゴーとぺスカでよかったか？」
ジェラ「大盛りにしてあげて！」
・「ありがとー！」
???「すみません、リモーネください」
ジェラ「あら、ドッピオちゃんまた来てくれたのね」
ピオ「こんにちは」
「あれ、前に洗濯物拾ってくれた…」
ピオ「ああ、この間の…」
「その節はどうもありがとうございました。この辺に住んでるんですか？」
ピオ「はい、お宅の近くの薬局のすぐ近くに住んでるんです」
「え、だれ？だれ？」
「レバー事件のときに洗濯物拾ってくれた子だよ」
「あ、あの時の！」
ジェラ「ドッピオちゃんはうちの常連さんなのよ。二人はうちで家政婦やってくれてるの。知り合いだった？」
「知り合いってほどじゃないんだけど、親切にしてもらったんだよね」
ソル「リモーネお待ち！」
ピオ「ありがとうございます」
ソル「そこにベンチあるから、三人で食べていったらどうだ？」
「じゃあせっかくだから」
三人はベンチに座って、世間話を始めた。
ピオ「ソルベさんたちのおうちって、割と大人数の男性の方でルームシェアされてるんですよね？大変ですよね」
「まあでも二人ですからね、分担もしてるし、お互い得意なことやってるので意外と平気ですよ」
「みんな結構協力的ですしね」
ピオ「はあ…いいなあ、うちは…」
「え？ドッピオちゃんも家事手伝い、的なことをしてるんですか？」
ピオ「そういうわけじゃないんですけど、うちもルームシェアなんですが、誰もやらないので、結局僕が、みたいな感じで」
「それは刺し殺したいね」
「もしくは撲殺だね」
ピオ「あの人たちを殺せたら、楽なもんですよ」
「じゃあ、今度、よかったら手伝いに行きましょうか？」
ピオ「え、そんな悪いですよ？」
「全然良いよね、。こうやって会えたのは何かの縁ですし」
ピオ「そう言ってもらえてうれしいです。ホントに大変な時に頼んで良いですか？」
そうして三人は連絡先を交換し、次の近所のカフェテリアで会う約束も交わした。
とはドッピオに別れを告げ、家路に着いた。


紙袋を抱えて、二人がひぃひぃ歩いていると、後ろからクラクションが鳴った。
ホル「おーい、二人とも！」
「あれは、ホルマジオ…？」
ホル「買い物か？ずいぶん参ってるみたいだな」
「なぜ、ホルマジオがシロネコヤマトのおにいさんのコスプレを…」
ホル「コスプレじゃねえよ!本物のシロネコヤマトのお兄さんだよ！疲れすぎだろ、お前ら！」
「そんな大手の運送屋さんだったんだね」
ホル「ちょうど家の方に配達あるから、乗せてってやるよ、ほら乗れ」
・「やったああー！！」
ホル「急に元気になるな、おい」
二人は高い座席に意気揚々と腰を下ろした。
ホル「シートベルトしめたか？発車するぞ」
・「はーい」
ホルマジオがアクセルを踏んだ瞬間。
ゴスッ…！！
・「何！？」
ホル「なんか、轢いた！」
「え？ヤバい！人じゃないよね！？」
「動物でもいやだよ！！」
三人は運転席から外をのぞきこんだ。
「え？ヤバい、人じゃん！」
「なんかアミアミの服着た変な人が！死んでる！」
ホル「死んでるとか言うなよ！早く！救急車！バイト、クビになる！！」
ホルマジオ、外に飛び出す。
ホル「え。あれ？」
「ねえ、死んでる？死んでる？」
ホル「おかしいな、誰もいないんだけど…」
「見間違いかな？でも、ぜったい居たよね？」
「いたいた！髪の毛ショッキングピンクの人。車の下とかいない？」
ホル「いや、どこにもいねぇ」
「よかったね、なんにもないんなら！」
「もしや、ホラーな出来事だったんじゃ」
「やめて！お風呂入れなくなる！」
ホル「こんな真昼間から、幽霊って出るか？まあ、見間違いだろ。じゃあ行くか」
ホルマジオが車に乗り込み、改めてトラックは出発した。


トラックは何事もなく暗チハウスに到着し、二人はトラックを降りた。
「じゃあ、ホルマジオありがとう、配達頑張ってね」
「おいしい夕飯作っとくからね」
ホル「マジか！楽しみにしてる！じゃあな」
二人はホルマジオを見送って、家に入った。
「少し遅くなっちゃったから、急いでお昼ごはん作ろっか」
ちょうどそこへ、寝起きのプロシュートが二階から降りてきた。
「あ、プロシュートおはよう」
プロ「おはよう、すぐ昼飯になるか？」
「ああ、髪が下りてる兄貴もまた麗しい！」
プロ「おい、昼飯は、って聞いてんだよ」
「すぐに！すぐ作ります！」
「ペッシも上にいる？」
プロ「まだ寝てんじゃねぇか？昨日遅かったからな」
「じゃあお昼ごはんは、７人分だね」
メロ「ぎゃあああ！為替がああああああああ！！」（上の階から）
プロ「相変わらず、うるせえな」
リゾットが下へ降りてくる。
リゾ「プロシュート、任務の相談があるんだが、少しいいか」
プロ「ああ、今行く。昼飯はジェノヴェーゼのパスタが食いてぇ」
こうして、買い出しは無駄になり、昼の食卓にはジェノヴェーゼが並んだ。

← 　lista 　→