暗チ一行は竜安寺・金閣寺・清水寺を観光し、清水寺の門前街でお土産を選ぶことにした。
参道を下りながら、八つ橋の試食で立ち止まったり、扇子店に入り込んだりするメローネやホルマジオを家政婦が必死に急き立てながら、イルーゾォ要望の漬物店を目指した。
八つ橋店にて
メロ「ニッキってシナモンのことなんだね！　超おいしい！」
ジェラ「餡子と合うわね。買っていこうかしら」
ソル「俺は抹茶のほうが好きだな」
ジェラ「じゃあ、この２つセットになってるやつ買いましょ」
「賞味期限が短いから、旅行中に食べちゃう感じで考えてね」
ホル「イチゴ味とチョコレートもある！」
ギア（イチゴ味、もちもちしてておいしい。でも、イチゴなんて恥ずかしくて買えねえよ）
メロ「俺、全種類買わなきゃ！」
カゴに片っ端から全種類入れていくメローネ。
「リゾット、さっきから試食を黙々と食べてるけど、おいしい？」
リゾット頷く。
リゾット無言でニッキ味のものを５箱くらいレジに持っていこうとする。
「食べきれないでしょ！？　腐っちゃうから！　あとでメローネにももらいな。あの人、食べること考えないで買ってるから」
リゾット(´・ω・｀)
「リゾット、そんな悲しそうな顔しないで（笑）」
布小物店にて
ジェラ「これ素敵。京都に来たら、扇子は買おうと思ってたのよね」
ジェラート白地に赤と金箔で梅が描かれた扇子を手に取る。
ソル「いいじゃないか。それだったら、俺はこれだな」
ソルベ、紺地に白と金で笹が描かれた扇子を選ぶ。
メロ「ねえ、見て！　超cawaii！！」
メローネ、金泥の地にデカデカと松が描かれたサイズがかなり大きい扇を持ってくる。
「それってかわいいの？」
「それ、飾る用か舞う用だよ？」
イル（松竹梅になってる…）
ペシ「あ、この『がま口』って小銭入れ、おつかいのときにとっても便利そうだなあ」
ペッシ、水色の地にデフォルメされた鮎と水の流れの模様のがま口財布を手に取っている。
プロ「おい、これで買って来い」
プロシュート、マネークリップから万札を取る。
プロ「釣りはいらん」
ジェラ「あら、ペッシが持ってるの、かわいいわね！　ギアッチョ！　ギアッチョ！　ちょっとこっち来なさいよ」
詰まんなそうにしていたギアッチョが面倒くさそうにジェラートのところに来る。
ジェラ「あんた、いつも小銭ポロポロ落とすんだから、これ、いいじゃない。まとめて入るし、ワンタッチで蓋も閉まるし」
ジェラート、ちりめん素材で青い花柄の大ぶりのがま口を差し出す。
ギア（えー…その柄はやだなー）
ソル「花柄は、ギアッチョ嫌だろう。こっちのペンギン柄はどうだ」
ギア（エンペルト…！）
ギア「まあ、これなら…」
ギアッチョ、青いペンギン柄のがま口を購入。
そして、漬物店に到着。
「イルーゾォお待たせー！」
「千枚漬け、ここに売ってるよー！」
イル「へぇ、色々あるんだね」
メロ「ねえ！　あっちに抹茶ソフトあるよ！」
ホル「マジ！？　行く行く！」
メローネ、ホルマジオ、ソルベ、ジェラート、ギアッチョ、ペッシは抹茶ソフトの店へ。
リゾット、イルーゾォ、プロシュートが漬物店に残った。
イル（どれにしようかな）
奥からおばあちゃんの店員が出てくる。
店員１「おや、おにいさん、若いのに漬物に興味がありますのんか？どれか味見していきはります？」
「どれか食べてみたいのあるかって」
イル「じゃあ、この赤いのと、奥のやつと…」
一方、店の奥でプロシュートが物色していると、元気のいいおばちゃん店員がやってきた。
店員２「あれ、まあえらいかっこええお兄さんが来はりましたなあ。どんどんお味見しておくれやす」
「なんでも味見していいって」
プロ「そうか。じゃあ、酒のつまみに合いそうなのを頼む」
「なんか、お酒に合うのが欲しいらしいです」
店員２「ほんなら、これはどうどす？　こっちもお酒好きな方がよく買わはりますよ」
店員さんは次から次へと漬物を試食に出してくれる。
さらに若い店員さんも登場。
店員３「おにいさん、こっちも食べてみてください。こっちは洋風のアレンジをしたものなので、ワインとかにも合うそうですよ」
プロシュートの前にズラッと漬物が並ぶ。
店員さん２がさらに漬物を出そうとする。
プロ「もういいって言え、十分だ」
「ああ、もう結構だそうっです〜」
イルーゾォは、満足いくまで試食したのち、千枚漬け・柴漬け・みぶな漬けを購入した。
イルーゾォの隣でちゃっかり試食していたリゾットは、昆布白菜漬けを購入した。
店員さんに圧されたプロシュートは、何も買わずに店を後にした。
その後、一行はリゾット希望の金平糖専門店に向かい、リゾットは色鮮やかな金平糖をしこたま買い込んだ。


PM4：00　京都駅
「じゃあ、これから新幹線で小田原まで行って、そこから今夜の宿の箱根湯本まで移動します！」
ホル「ハコネって何があるんだっけ？」
「温泉とお土産だと寄木細工とかが有名だね」
メロ「温泉楽しみだね〜」
一行は新幹線に乗り込んだ。
席順は以下の通り。

ソル|ジェラ　　通
ペシ |プロ　　　　　　メロ | |
イル |ギア　　　路　 ホル|空席|リゾ

３人席の５人は、席を回して、向かい合わせにした。
ホル「すごい！揺れない！速い！」
プロ「小田原までは何時間なんだ？」
「新幹線ひかりで約２時間です」
プロ「２時間あるなら、新聞に一通りチェック入れて、あとは寝るか」
メロ「さっき買った生八つ橋開けよ〜！　食べる人〜！」
リゾット、さっと手を挙げる。
メロ「リーダー一番速かったから、選んでいいよ〜どれ開ける？」
ギア「ポケモン持ってきたか？」
イル「…持ってきたよ、対戦する？」
メロ「二人もポケモンやりながら食べなよ〜。はい、イチゴ味〜」
イル「…ありがとう」
ギアッチョは生まれて初めてメローネに感謝した。
ホル「なあなあ、トランプやろうぜ、トランプ！」
ホルマジオ、リラックマ柄のトランプを取り出す。
メロ「いいね〜リーダーもやるでしょ？」
リゾット、もぐもぐしながら頷く。
イル（…やるんだ）
リゾットはチーム内のレクリエーションに参加するのが好きである。
「なにやる？　電車の中だと、ババ抜きとか、大貧民とか、ダウトとかかな？」
メロ「インディアンポーカーは？」
ホル「いいね！　あれ盛り上がるし！」
プロ「静かにやれよ、やるのはいいけどよ」
メロ「は〜い」
インディアンポーカーとポケモン対戦は白熱した。
完全ポーカーフェイスのリゾットにメローネとホルマジオが苦戦し、家政婦２人は当たり前のようにぼろ負けする。情に弱いリゾットは、家政婦２人に時々情けをかけて勝たせてしまったりしていた。
ある時、ホルマジオが３回連続でビリになった。
メロ「うわ！　ホルマジオ、３連敗だっさー！」
ホル「もう１回！　もう１回やろうぜ！」
寝に入っていたプロシュートがぶち切れ。
プロ「うるっせえぞ！　てめえら！　おい、イルーゾォ、あいつら鏡の中にぶち込んどけ」
「イルーゾォをなんだと思ってるんだ、このイケメン野郎！」
イル「…嫌だよ。なんであいつらを俺の鏡に入れなくちゃいけないわけ？　…エーフィ交代だ」
メロ「イルーゾォ優しい！　それに比べてプロシュートはすぐ怒っちゃってさ！」
プロ「仕方ねえ、グレートフルデッド！」
ペシ「兄貴、さすがにここでそれは…！」
ホル「悪かったプロシュート！　もう静かにするから！」
プロ「お前らが静かにするより、俺が静かにさせたほうが早い！」
危ないと思って、リゾットはさっと立ち上がる。
頭を荷物棚にぶつける。
メンバー全員に沈黙が走る。
リゾット、痛くて無言。
プロシュート吹き出す。
それと同時にグレートフルデッドが消える。
リゾ「済まなかったプロシュート、みんな、もう少し静かに楽しもう」
幸い、新幹線は平日でとても空いていたので、大きな騒動にはならなかった。
その後、一行は無事に箱根に到着し、みんなで温泉を満喫した。

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