ある夏の日のこと。あまりの暑さにリビングで家政婦たちがヘタっていた。
「暑い…アイス食べたい」
「かき氷が良い。メロン味」
「いいねー口の中、緑になるやつ！私わたあめ！」
「あーたこ焼きも食べたい」
ホル「何話してんだ？」
今日の配達を終えたホルマジオが帰宅。
「故郷の味を思っていたんだよ」
ホル「えーどんなんだよ！」
「この前の日本食会とは違う感じの、お祭りとかで食べるちょっとジャンキーな感じの…」
メロ「こういうのでしょー？」
その場に居合わせたメローネがタブレット端末ですかさず検索する。
「あー！りんご飴懐かしー！」
「ハッカパイプもあるー！」
メロ「こういうの食べるときは、みんな、このYUKATAっていうのを着るのが決まりなの？画像だとみんな着てるけど」
「決まりって訳じゃないけど、お祭りに着てくことが多いから」
「こういう時しか着る機会無いしね」
ホル「クールだな！俺も着てみたい！」
メロ「オレもオレもー！！」
「じゃあ浴衣通販して、プチ夏祭りみたいにする？」
「いいねー！あ、再来週の日曜、みんな家にいる予定だから、その時にしよっかー」
メロ「そうだね、じゃあ、早速通販サイトへ」
メローネ素早く怪しい通販サイトを開く。
「ホルマジオはさ、浴衣より甚平の方が似合いそうだよ」
メロ「あーこういうやつね」
ホル「おい！おい、リラックマあるじゃねえかよ！これが良い！」
「やめて！プリントくらいなら良いけど、模様になって散りばめられてるのは、ヤバイって！！」
「だいたい、入んないじゃん！ぱっつんぱっつんだよ！きっと！！」
ホル「えー…」
「こっちの方が似合うってほら、ホルマジオ赤毛だからさ、渋い茶色系みたいなやつ」
ホル「えーわかった、しょうがねぇなあ」
「ペッシとギアッチョも甚平の方が良くない？」
「この、紺地に超大きな水色水玉のやつ、ギアッチョに似合いそう、かわいい」
メロ「よし、ポチろう。あ、オレもこれが良いなー」
ホル「やっべ、何、そのショッキングピンクのヒョウ柄」
メロ「えー良いじゃんー」
「もう何も言うまい」
「似合いそうだからムカつく」
こうして、メローネ、ギアッチョ、ペッシ、ホルマジオには甚平が、リゾット、プロシュート、ソルベ、ジェラート、イルーゾォには浴衣が用意された。


祭り企画日、当日。
ギア「なんで、オレ水玉なんだよ！！」
「似合う〜」
「かわいい〜」
メロ「食べちゃいたい〜」
ギア「てめぇは死ね！」
ギアッチョ、水玉の甚平を着て、プリプリしている。
メローネ、目に痛いほどのショッキングピンクのヒョウ柄甚平を着こなしている。
「ペッシもすごくよく似合うよ〜」
ペシ「ちゃんと着れてます？」
「大丈夫、ばっちりだよ！」
ペッシは黒地にグレーの細かい滝縞の甚平を着ている。
「浴衣組、着られたー？」
イル「たぶん、ジェラートが着せてくれたから、大丈夫」
「あーホントだーちゃんと着られてるね」
「すごい似合っててよかった」
イル「別に普通でしょ」
「珍しくちょっと楽しんでくれてる感じでよかった」
イルーゾォは紺地に細い線で大柄な格子が描かれた浴衣に黒と白のまだら模様の帯を合わせている。
ジェラ「みんな似合うわね」
ソル「イルーゾォなんか、馴染みすぎてるな」
ジェラートは生成のかすれ模様の浴衣に帯は黒を合わせ、ソルベが黒のかすれ模様の浴衣に帯は生成のものを合わせている。
「おそろい似合う〜！」
ジェラ「ありがとね、これ選んでくれて」
プロ「こんな簡単に着るだけでいいのか」
プロシュート、白地にペッシのものより大柄な黒の滝縞が入った浴衣に黒の無地の帯を合わせて、登場。（もちろん胸元が無駄に大きく開いている）
「わーその着こなしてる感がムカつくー」
「いなせな兄貴もまたステキ！もう死んでも良い」
ホル「おい生きろ！お前らが食べたくて夏祭り開催したんだろ！」
リゾ「なんだか、丈が短い気がするんだが…」
リゾットがドアの隙間から顔を出す。
メロ「えーちょっと出てきてみなよ」
リゾット、黒の無地の浴衣に黒にかすれ模様が入った帯を合わせている。身長のせいで、裾がふくらはぎの真ん中くらいまでしか無い。
「あー平気だよ。浴衣は短めでも大丈夫だから」
「脚ぃ…┌(┌^o^)┐」
ホル「おい！お前も気を失うな！！生きろ！」


「じゃあ、これから外で鉄板焼き始めるよー」
「かき氷機も外に出してあるよー」
ホル「よし、じゃあオレが焼くぜ！」
ジェラ「ホルマジオで大丈夫なの？」
「焼きそばは焼いてかき混ぜるだけだから」
「ホルマジオが一番似合うから」
「じゃあ、ギアッチョはかき氷用の氷お願いね」
ギア「えっ！？知らねぇよ！」
「メローネ頼んどいてくれるって言ったじゃん！」
メロ「ごめーん忘れてたー」（テヘぺろ）（テキ屋風のホルマジオを撮影中）
「えー！？ねえギアッチョお願い！氷作ってないんだよぉ」
「ほら、リーダーも食べたそうに見てるよ」
（ペンギン型のかき氷機が気になって見ているだけ）
ギア「わかったよ」
「わーい。ありの〜♪」
「ままの〜♪」
メロ「すがたみせるのよ〜♪」
ギア「ぶっ殺すぞ、てめぇら！！」
ホル「おーい、焼きそばできたぞー！」
お向かいさんの家の扉が開く。
ナラ「なんか良い匂いするけど、何やってんの？」
ブチャ「こら、ナランチャ、あまり邪魔するな」
「あーナランチャ！おいでよ！日本のお祭りやってるんだよ」
「ブチャラティさんもよかったら」
ナラ「わーい！これ食っていいの？」
ジェラ「ホルマジオが作ったから、味は保証しないけど」
ナラ「えーうまいよー！」
みんなでわいわい焼きそばを食べ始める。
一方鉄板では、お好み焼きが焼かれ始めた。
「これをこうやってね、ひっくり返すんだよ」
ホル「マジかよ！オレできる気がしねぇよ！！」
ソル「貸してみろ」
ホルマジオ、かえしをソルベに渡す。
「お、ソルベがんばってー！」
ソルベ、勢いよくお好み焼きを返す。
「えーうまい！キレイに返せたね！」
ジェラ「きゃー！ソルベかっこいい！！」
ソルベ、ジェラートに向かって、珍しくドヤ顔。
メローネ、それをすかさず撮影。
ナラ「なーこれ、うまいー！」
ナランチャ、イチゴシロップのかき氷をほおばる。
ブチャ「ナランチャ、そんなに慌てて食べると、お腹を壊すぞ」
イル（この宇治金時かき氷はすごく美味しい…(*ﾟωﾟ*)）
「ヨーヨー釣りの準備しよー」
、子供用プールの前でヨーヨーをふくらまし始める。
ペシ「あ、俺も手伝いますよ」
「ペッシ、良い子！！」
２人が無事全ての風船をふくらまして、プールに浮かべた。
「よし、じゃあ、やりたい人呼んでこよー」
ペシ「あ、リーダー、やってみませんか？」
リゾ「ああ。プロシュートもどうだ」
プロ「俺はいいよ」
リゾ「そうか…(´・ω・｀)」
プロ「わかったよ！やるよ！！」
リゾ「そうか…！(*´▽｀*)」
リゾット、からこよりの付いた釣り針をもらう。
「これをこうやって、こう釣るんだよ」
リゾ「わかった」
リゾット、しゃがむ。
「脚がまぶしい！」
プロ「変態は失せろ！」
リゾット、うまく釣れずにすぐ切れてしまう。
ペシ「次、兄貴どうぞ」
プロ「ああ」
プロシュート、突然真剣な顔つきになる。
ペシ「兄貴が本気だ！」
「メローネ！写真撮ってきて！！」（鉄板のところから察知）
メロ「撮ってるよ！望遠で撮ってるから、揺らさないで！！」
プロシュート、次々とヨーヨーを釣る。
リゾ「プロシュートすごいな(*ﾟДﾟ*)」
プロ「こんなことで、そんな顔されてもな」
そこへフーゴが帰宅。
フー「あれ、みんなで何をやっているんですか？」
ナラ「あ、フーゴお帰りー！なんか日本のお祭りなんだってさ！」
「ブチャラティさんも釣ります？」
ブチャ「ああ、やってみよう」
ナラ「ブチャラティ、がんばって！」
こよりをすぐに濡らしてしまい、駄目になってしまう。
それを見ていたフーゴ。
フー「ブチャラティ、こういうのは、濡らしてしまうと駄目だから、こういう風に…」
ブチャ「なるほど」
「はい、２回目どうぞ」
じゃぼーん。
ブチャラティ、同じ失敗を犯す。
フー「だから、お前、今言っただろう！紙を濡らしたら、一瞬で切れるんだよ！このド低脳が！！」
ブチャ「すまん…」
リゾ「大丈夫だ、俺もできない」
メロ「俺もやるー！じゃあ、リーダーカメラで俺撮ってね！」
リゾ「え」
「メローネ。うまくない？」
メロ「やっぱりー？（てへぺろ）」
ちなみにこのときリゾットが撮影した写真は全てピンぼけだった。

続いて、夜の部。

「はーい、じゃあ花火始めるよー」
リゾ「そんな、花火は、危険だぞ！」
メロ「大丈夫だよー日本のやつだから、ちょー安全・安心なやつ！違法な爆発するやつじゃないよ」
リゾ「そ、そうか…？」
「じゃ、ペッシ好きなの選びなー」
ペシ「いえ、みなさんお先に」
「いいんだよ！ペッシは良い子だから、今日は一番なの！」
ペシ「じゃあ、このキラキラのやつ」
「もっと、まとめていっぱい取りなよ！絶対まとめてもってく奴いるから！」
ホル（ギクッ…）
「一人、一回一本だよ！一気に点けないでください！」
ホルマジオ、注意されたそばから、３本くらい一気に着火。
「こらー| ｀Д´|ﾉ」
その横でメローネも３本着火。
収集不可能。
ホル「うわああああ！！」
両手に花火を持ったホルマジオが頭上で花火を振り回しながら、走り回る。
メロ「ギアッチョーーーーーー」
ギア「やめろ！くんな！！」
メローネ、ギアッチョに花火を向けて追いかけ回す。
プロ「はっはっはっはっはっは、馬鹿すぎだろ！」
プロシュート高笑いが止まらなくなる。
「高笑ってる兄貴もまたステキ！」
イル（早めに避難しといて良かった）
イルーゾォはリゾットと並んで、端の方で線香花火をしている。
リゾ「線香花火、これはなかなか良いな」
イル「そうだね」
「ここ、平和だね」
ミス「おーい、何やってんだー？」
ミスタ、バイク（50cc）で帰宅。
「日本の手持ち花火だよー」
ミス「何それ、楽しそう、俺もやるー！」
ナラ「俺もやるー！！」（お向かいさんの扉が開く）
ブチャ「こら、ナランチャ。またおじゃまするんじゃない」
リゾ「いや、人数が居た方が楽しいだろう」
ブチャ「悪いな、リゾット、いつも」
メロ「ほらほら、そんなまったりしてちゃ駄目だよ〜」
メローネ、リゾット、イルーゾォ、の方へ、ネズミ花火を投げ込む。
「ぎゃあああああああ！！」
リゾ「やめないか、メローネ！」
イル（……(ﾟ□ﾟ;)）
逃げまどう３人。
ミス「ぎゃはははは」
ナラ「すげーウケルー！」
ホル「花火は戦争だー！！」
ホルマジオ、火の点いたロケット花火をプロシュート、ペッシ、の方へ発射。
「ぎゃああああああ！！」
プロ「てめぇ、馬鹿か！ぶっ殺した！！」
ペシヾ(･ω･`;)ﾉぁゎゎ
ミス「よし、俺たちもやるぜ！ピストルズ！！」
ミスタ、ピストルズで銃弾を反射させ、打ち上げ花火に点火。
ナラ「すげぇミスタ！俺もー！！」
ブチャ「こら！お前の能力だと、周りの花火全てに引火するだろう！やめるんだ！」
ナラ「あ、そっかー」
メロ「まだまだ行くよー」
メローネ、ロケット花火を連続発射。
ギア「てめぇ、いい加減にしやがれ！（焦げ焦げ）」
ギアッチョ、ホワイトアルバムを発動。
事態は何とか収束に向かった。



ブチャ「みんな、終わった花火は水の入ったこのバケツに入れるんだ。いろんなところに飛び散ったものも全部拾ってこい」
リゾ「みんな楽しそうで良い日曜日だったな」
ちなみにこの日の写真は、スペシャルショットを除いて、廊下に張り出され、一枚１ユーロで売られることになる。
スペシャルショットはメローネの部屋で秘密裏に売りさばかれた。

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余談：イタリアの花火事情について。わかりやすい紹介があったので、リンクを貼っておきます。以前、テレビでイタリア語講座に出演していたルカさんとレオナルドさんのブログ記事です。