乾燥が厳しい冬のある日。いつものように洗濯係がベランダで洗濯物を干していた。
「ゴホッゴホッ…」
（あー、ちょっと喘息出てるな、寒いからなあ）
カゴを持ってリビングに入ると、部屋を出ようとしたギアッチョとすれ違った。ちょうどその時、が大きく息を吸い込んで、喘息特有の「ぜーぜー」という音が聞こえた。
ギア「お、お前！　なんだよ、変な音するじゃねぇかあああああああ！！」
「え、大丈夫だよ」
ギア「救急車！」（携帯を出す）
ジェラ「お馬鹿っ！！」（ギアッチョを平手打ち）
ギアッチョ倒れる。
「うわあああ！ジェラ姉さん、急に何を！げほげほっ」
ジェラ「いきなり救急車なんて呼んでどうするの！、大丈夫？大きく息吸って…」
ジェラート、の胸に耳を当てる。
イル（いくら心が女とはいえ、女性の胸に平気で顔を埋めてるのに、なんで誰も突っ込まないんだろう）
ジェラ「、喘息なの？」
「今日はちょっといつもよりヒドイみたい」
リゾット、新聞から目を上げて、じっと見ている。
メロ「オレもの胸に顔を埋めて、胸の音聞く〜！」
ジェラ「お馬鹿っ！！（地声）」（鳩尾にグーパン）
メロ「良好ですか！？」
メローネ死亡。
イル「今日は寝てたら…？」
ジェラ「家事は私たちがやっておくから！ソルベ！ベットまで運んであげて！」
ソル「おう！」
「え、ちょ、運ぶって！」
ソルベ、を抱き上げる。
「ぎゃああああ！なんですか、この羞恥プレイ」
メロ「いいよ〜こっちに目線ちょうだい」（一眼レフ装備）
「メローネがもう復活してる！ギアッチョまだ死んでるのに！ってか、撮るな！撮らなくて良い！」
こうして、は一日仕事を休んで、療養することになった。


ジェラ「じゃあ、今日はもいないし、私たちが食事何とかしないとね」
ソル「買い出し行くか」
ジェラ「そうね、に元気になってもらえるように美味しいもの作りましょ♡メローネ！アンタも行くのよ！」
メロ「え〜」
ジェラ「アンタ、残ってたら、何しでかすかわからないでしょッ！ほら、コート着なさい」
イル「じゃあ、オレは残ってを看てるよ。発作とかになったら、まずいし」
ソル「そうだな、まだギアッチョも死んでるしな」
ジェラ「リーダーとイルーゾォがいれば、大丈夫よね」
ソルベとジェラートとメローネが買い出しに出かける。
見送ったイルーゾォのところへ、リゾットがやってくる。
リゾ「イルーゾォ、喘息の時は、どうすれば良くなるんだ」
イル「ちょっと待って」
イルーゾォ、タブレットを出す。
イル「あー、冷たくて乾燥した空気だと、発作になりやすいとか書いてあるよ。イタリアは日本より乾燥してるから、それで辛いんじゃないかな」
リゾ「そうか！」
リゾット、いそいそと出かけていく。
イル（リーダー大丈夫かな、まあ、いいか）

少し時間が経った頃。
ギアッチョが目を覚ました。
ギア（あれ、オレ、なんでこんなとこで寝てんだ？）
リビングは無人。
ギア（そうだ、のやつが具合悪くて、もう部屋に戻ったのか？）
ギアッチョ、そっと家政婦の部屋を覗く。
が寝ているのが見える。
ギア（大丈夫かよ、あいつ。ていうか誰も居ないのかよ）
ギアッチョ、２階と３階を見にいくが、どこも無人。
ギア（ホントに誰もいねぇ。誰も心配じゃねぇのかよ）
そうなると、ギアッチョの中で、寒くないのか、苦しくないのか、薬は飲んだのか、と色々なことが心配になってくる。
ギア（薬飲むなら、なんか食わねぇと）
ギアッチョ、もう一度家政婦の部屋を覗きに行く。
部屋に入ろうとして、ドアにかけてあったルームプレートが服に引っかかって落ちた。
ギアッチョ、めっちゃ焦る。
が目を覚ます。
「あれ？ギアッチョ？」
ギア「おう…お前、大丈夫なのかよ」
「まあ、ちょっと苦しいけど、慣れてるから」
ギア「寒くないか？」
「大丈夫」
ギア「薬、飲んだか？」
「まだだよ」
ギア「じゃあ、飯食え。なんか、食いたいものあるか。作ってやる」
「え？ギアッチョ、作れるの？」
ギア「作れるよ！」（怒）
「ごめん、えーっとじゃあね、なんか、さっぱりしたスープが良い」
ギア「ミネストローネか（コイツ、トマト好きだったよな）」
「もっと、あっさりしたやつ」
ギア「じゃあポトフみたいなのでいいか」
「うん」
ギア「他は？」
「じゃあ、プリン」
ギア「わかった」
ギアッチョ、決意を固めた表情で出て行く。
ギアッチョは野菜を切って、圧力鍋のタイマーをかけると、チャリンコで行きつけの洋菓子店へ急いだ。
それとすれ違いにリゾットが帰宅。
リゾット、霧吹きを持って、家政婦の部屋に入る。
おもむろに宙に向けて霧吹きする。
繰り返す。
シュッシュッという霧吹きの音に、がぼんやり目を覚ます。
（あれ、リゾット？何やってるんだろう）
、しばらくぼんやり見ていたが、眠気に負けて寝てしまった。
リゾットは一通り霧吹くと、買い物袋からスプレー缶のようなものを枕元に置き、部屋を去った。
ギアッチョがプリンを猛ダッシュで買いに行っている間に、買い出しに出ていたソルベ、ジェラート、メローネ、それに出かけていたが帰ってきた。
ジェラ「あら？何か料理ができてるわ」
メロ「リーダーが作ったの？」
リゾ「いや、俺ではない」
ソル「じゃあ、イルーゾォが作ったのか？」
イル「おかえり、俺じゃないよ。実は、かくしかじか」
鏡の中からずっと見ていたイルーゾォ、ことのいきさつを話す。
メロ「なんで、録画しなかったのぉ！！」
メローネ泣き崩れて床をたたく。
イル「オレ、お前みたいな趣味ないし」
「ギアッチョ、可愛い…」
、顔を覆って泣き崩れる。
イル「ねぇ、そういえば、リーダー。なんで、の部屋で霧吹きしてたの？」
メロ「なんで、録画しなかったのぉ！！！」
リゾ「乾燥が良くないというから、加湿を…」
「可愛いｗｗｗ」
ジェラ「意味がわからないわよ、それ」
ギアッチョ帰宅。
ソル「おかえり、どこ行ってたんだ」
ギア「お前らこそ、どこ行ってたんだよ！アイツほったらかして！」
ジェラ「ご飯の買い出しよぉ。それより、このスープ、ギアッチョが作ってくれたんだって？に早く出してきたら？」
ギア「当たり前だろ！」
ギアッチョ、乱暴にスープをよそって、リビングを出て行く。

ギアッチョ、家政婦の部屋に入り、のベッドまでトレーを持って行く。
ギア「ほら、飯出来たぞ、起きろ」
「わー、ありがとう、ギアッチョ」
ギアッチョ、枕元に置いてあるヘリウムガスのスプレー缶に気付く。
ギアッチョの額に青筋が浮かぶ。
「おいしいよーギアッチョ」
ギア「全部食えよ。そうしたら、薬飲んで寝てろ！」
ギアッチョはスプレーを持つと、足音も荒く、リビングに直行した。
ギア「誰だ！？このふざけたもん置いたやつ！なんで、具合が悪いやつの枕元にヘリウムガスが置いてあんだよ！」
ギアッチョ、缶をテーブルに叩きつけるように置く。
リゾット、無表情で手を挙げる。
メロ「リーダーｗｗｗｗ霧吹きだけでは飽きたらずｗｗｗｗｗ」
ジェラ「どういうつもりだったの、リーダー？」
リゾ「酸素ボンベ、じゃないのか？」
ギア「ちっげぇよ！！これは、声が変わるガスだろうが！！」
リゾット、ショックを受ける。
リゾ「そうだったのか」
メロ「ま、リーダーも悪気があったわけじゃないからぁ」（ヘリウムガスの声）
ギア「てめぇは早速吸ってんじゃねぇ！！」
の具合は翌日には良くなり、仕事にも復帰した。



ifストーリー〜これが護チだったら？〜

ブチャ「これより、が喘息の発作を起こしたことを受け、対策会議を始める！意見があるものは手を挙げろ」
ナラ「はい！霧吹き！」
ミス「加湿に霧吹きとか、安直か！」
フー「確かに加湿は必要でしょうが、霧吹きだとちょっと…。濡れたタオルをたくさん干すか、お湯を沸かす方が有効でしょう」
アバ「室温もあがるから、カセットコンロで湯を沸かすのがいいかもな」
ジョル「一酸化炭素中毒にならないように、換気には気を使った方が良いですね」
ブチャ「よし、コンロのボンベの在庫を確認して、採用しよう」
ミス「酸素の吸入なんかは効くのか？苦しそうだろ？」
フー「発作がまた起きたときのためにあってもいいですね。どれくらい効果があるかわかりませんが、本人は気持ちいいでしょうから」
ブチャ「よし、酸素ボンベも用意しよう」
アバ「冷えると悪化するかもしれないから、使ってないブランケットも出してやろうぜ」
ブチャ「そうだな！」
ナラ「あとは、好きな食いモンたくさん用意してやろうぜ！」
ブチャ「ああ！よし、では、加湿は俺とミスタ、酸素ボンベ調達はフーゴ、ブランケットはナランチャ、調理担当はアバッキオとジョルノで動こう」
一同「ラジャー！」

…スムーズです。

← 　lista　→